ceramic artist

No12.渡蟹*Image above: “Blue Crab 2017-2″ by Sadamasa Imai. * 今井完眞の「渡蟹」(上記画像)
*スマートフォン・携帯でご高覧の皆さま:日本語の文章は英語の後に続きます。

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*Image above: “Benkei Crab 2017 (Gold)” by Sadamasa Imai * 今井完眞 の「弁慶蟹」(上記画像)

We have interviewed ceramic artist Sadamasa Imai, who spoke with us about his recent artworks. His works can be seen at: http://www.mizenka.com/artist/Sadamasa-Imai

Q:  What is the trend of your recent artworks?

A:  From this year, I started using overglaze colors for Kutaniyaki. I apply the overglaze color over and over again while baking the ceramic artwork over again. At average, I bake the artwork 7 to 9 times. It is very time-consuming but this allows me to create artworks with beautiful colors that are peculiar to ceramics.

Q: When is the moment that you feel you enjoy creating ceramic artworks?

A: When I am creating ceramic artworks, I hardly enjoy it. It’s hard and tough. The moment I am full of joy is when the artwork bakes well and when an unexpected good change occurs after the baking process.

Q: What kind of artworks would you like to create in 2018?

A: 2017 was a very busy year for me. I had 14 solo and group exhibitions in total. I myself was surprised after counting how many exhibitions I had. Since I had an exhibition at average once a month, I certainly had less time to spend on each artwork. For 2018, I would like to slightly reduce the number of exhibitions and artworks and spend more time on each artwork and produce higher quality in each artwork.

Q: Do you have a message to our readers?

A: Thank you for your support. Please see my official website at http://sadamasa-imai.jp/ and Mizenka Gallery’s website for details of my exhibitions and artworks. I will have solo exhibitions in Tokyo in May and November 2018. If you have the chance, please come see my exhibition.

陶芸家の 今井完眞 さんにインタビューをし、最近の作品について語っていただきました。今井さんの作品は以下のリンクでご高覧いただけます。 http://www.mizenka.com/jp/artist/Sadamasa-Imai

Q:最近作られている作品の特徴を教えてください。

A: 今年に入ってから九谷焼の上絵の具を使い始めました。上絵は一度焼き付けて終わりというわけではなく何度も上絵を重ねては焼き重ねては焼きを繰り返します。大体7~9回は焼きます。大変手間はかかりますが陶芸の上絵ならではのきれいな発色の作品に出来上がります。

Q: 制作をされていて、一番楽しいと思う瞬間はどのようなときですか。

A: まったくと言っていいほど制作中は楽しくありません。苦しいですししんどいです。制作していて楽しいのではなくて、無事に作品が焼けたり思いもしなかった良い変化が起きた時に喜びを感じます。

Q: 2018年はどのような作品に挑戦したいと思っていますか。

A: 2017年はとても忙しかったです。個展やグループ展をすべて数えると合計14回しています。私も数えてみてビックリしました。月に一回以上のペースで展覧会に出品していたわけですから作品一点にかけられる時間が短かったのは確かです。2018年は少し展覧会の回数と作品数を抑えて作品一点一点にかける時間を増やして作品のクオリティーを上げたいと思っています。

Q:読者の方々にメッセージはありますか。

A: 展覧会情報・作品情報はMizenka Galleryもしくは今井完眞オフシャルサイトhttp://sadamasa-imai.jp/でご確認下さい。2018年の個展は5月と11月に東京で開催致します。来年もどうぞよろしくお願い致します。

1こんにちは、陶芸家の今井です。今回は最近あった出来事をお話しさせていただこうと思います。

蟹盃の話

写真①新作の蟹碗と蟹盃。

二年前、日本橋三越で開催された現代作家茶碗特集に初めて出品した“蟹碗”。作った当初は売る目的よりも見て頂くものとして少しでも話題になればと思い制作したものでしたが意外に受け入れられまして、今までに作ったものはすべて売約になっています。今回は“蟹盃”を作ってみました。題名はシンプルに“蟹”として自由に飾ったり使ったりしていただけるようにしました。決して器としては使いやすくないですがなかなか可愛らしい作品になったと思います。こちらも皆さんの反応が気になるところです。

2特注の真田紐の話

写真②③特注の真田紐

私の作品は蟹や花などとても壊れやすいデリケートな作品です。持ち運びの時は段ボール箱に緩衝材を入れて持ち運びますが最終的には桐箱に入れなくてはいけません。この桐箱への出し入れの時が一番危険です。3色々注意喚起をするにはどうすればよいだろうと考えましてこの際警戒色の規制線のような真田紐を作ることにしました。特注で真田紐を作る場合まず糸の色見本の中から色を選び染色屋に色を染めてもらいます。それから真田紐屋に紐のデザインを伝えて織ってもらいます。2か月で自分だけのオリジナルの真田紐が出来上がりました。これから特にデリケートな作品を中心に使おうと思います。

4アカモンガニの話

写真④レストランのマスターにもらったアカモンガニ

写真⑤観賞魚店から送られてきたアカモンガニ5

写真⑥下の作品は初めてのアカモンガニ

アカモンガニという八重山諸島でとれる蟹を辰砂やキン窯で表現したいと思いどうにかアカモンガニを手に入れたいと色々な所へ問い合わせをしましたがなかなか見つかりません。色々な方に尋ねていると以前行ったことのあるレストランが偶然お持ちで制作のためなら差し上げますと言って譲っていただきました。その後1か月ぐらいし6てこの前問い合わせをした観賞魚店からもアカモンガニを入荷したと連絡があり、水槽を用意して飼うことにしました。生きているものも死んでいるものも両方あるととても制作には良いです。試しに二点制作しましたがなかなかいいモチーフでこれから良い作品ができるのではないかと期待しています。

今井完眞

*今井完眞の作品は http://www.mizenka.com/jp/artist/Sadamasa-Imai でご高覧いただけます。

*Sadamasa Imai’s artworks can be seen at http://www.mizenka.com/artist/Sadamasa-Imai

写真①こんにちは、陶芸家の今井です。最近暖かくなってきて庭のいろいろな植物から新芽が出てきました。もう春ですね。今回は最近の制作についてお話させていただきます。

蟹をマトリョーシカのように少しずつ大きさを変えて作ってみました。蟹の大きさはまず甲羅の横幅を1cmずつ変えていきます。まず5番目の大きさを作りました。

写真①

これでも普段作っている蟹の半分ぐらいの大きさです。そこそこ小さいけれども普段作る時と変わらない制作方法です。ここから1cmずつ小さくしていきます。

写真②写真②

五番目の大きさから2cm小さくなると作り方を変えないと作ることができません。イッチンで描くように形を作っていきます。そして1番目のサイズは針の先に泥漿をつけて形を作りました。もう少し小さいものも制作しましたが、もうディテールを作ることが難しく展覧会にお出しできるクオリティーではないので自分用のブローチにしようと思います。

ここから今までとは反対に1cmずつ大きくしていきます。6番目か7番目が一番作りやすい大きさかもしれません。だんだん大きくなってくると作品の重量が増してきて今度は重力が敵になってきます。蟹を作るとき一番難しいとことは胴体と爪のある脚をつけるところで蟹の失敗はほとんどこの部分に起こります。他の脚と比べて大きいので爪の中を空洞にしたとしてもどうしても重くなり、しかも脚の根元が細いので強度が下がります。乾燥段階での切れもありますし窯の中で高温になり重力に負けてもげてしまうことも多いです。細心の注意を払いながら制作を進めました。

写真③写真③

素焼きと釉がけをして蟹をひっくり返した状態でカンタル線という耐火度のある針金で支えて本焼きをします。

写真④写真④

そして上絵付をして800度で焼きます。焼く前は焼けた後の色を想像しながら絵付けをするので一回ではイメージのようにはなりませんし色の深みも足りません。


写真⑤

ここから絵付けと焼きを5回繰り返してようやく作品が出来上がりました。

写真⑤こちらの作品は5月の個展に出品いたしますので楽しみにしておいてください。

今井完眞

*今井完眞の作品は http://www.mizenka.com/jp/artist/Sadamasa-Imai でご高覧いただけます。

*Sadamasa Imai’s artworks can be seen at http://www.mizenka.com/artist/Sadamasa-Imai

写真5こんにちは、陶芸の今井です。前回のブログはアメ横で見つけたノコギリガザミと以前から制作してみたかったシーラカンスについてのお話でしたので完成した作品の紹介をさせていただきます。

写真2 完成したノコギリガザミです。写真1下絵の具の発色を抑える焼き方にしたのでカラフルになりすぎず落ち着いた色合いになりました。マングローブを歩いていてこのぐらい大きなノコギリガザミに出会ったらギョッとすると思います。

写真3 完成したシーラカンスです。黒っぽく見えるところは呉須で絵付けしていて焼成時にその呉須が高温で煮えてブクブクと気泡ができます。窯から出した後その気泡をつぶすことによって自然な凹凸が出来上がりました。
このような窯の中での自然作用で作品が作為的でなくなり深みがでます。写真2作品は人工物なので作為的になってしまっても当然ですがここに自然の作用が加わり人工物でありながら自然物のような感じにすることができます、これが陶芸の魅力だと思います。

写真3今まではDMや図録はギャラリーに制作していただいていましたが今回初めて図録のデザインやレイアウトを自分で考えてプロのカメラマンさんに作品を撮影していただき図録製作の業者さんと打ち合わせをして図録を作りました。カッコよく作品を撮ってくださったカメラマンさんにむかって「カッコよく撮るのではなくて怪しい雰囲気を出して欲しい」と変な注文をつけたり、逆にアドバイスをいただいたりして自分の気に入った図録になりました。陶芸家は毎日制作するのが当たり前と思っておられる方も多いようですが工房に籠っているだけでは展覧会を開催することができませんので、意外と制作に専念できる期間は限られています。ギリギリの10月27日に最後の窯出しをして何とか展覧会ができました。2016年11月9日(水)~11月15日(火)まで日本橋三越本店6階アートスクエアにて今井完眞陶展―海―を開催中ですのでご高覧のほどよろしくお願いいたします。

写真4今井完眞

*今井完眞の作品は http://www.mizenka.com/jp/artist/Sadamasa-Imai でご高覧いただけます。

*Sadamasa Imai’s artworks can be seen at http://www.mizenka.com/artist/Sadamasa-Imai写真6

上記1番目の画像:メンダコ

上記2番目の画像:今井完眞作  完成したノコギリガザミ

上記3番目の画像:今井完眞作  完成したシーラカンス

上記4番目の画像:今井完眞作  卯ノ斑渡蟹

上記5番目の画像:今井完眞作  鰒

上記6番目の画像:今井完眞陶展—海—の図録の表紙

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上記画像:文中写真1(今井完眞作 ノコギリガザミ)

こんにちは、陶芸の今井です。今回は最近の制作についてお話しさせていただきます。

11月9日からの個展のテーマが―海―ということで、海の生き物を制作中です。今回の展覧会の目玉は上野のアメ横で見つけてきた大きなノコギリガザミと前々から作ってみたかったシーラカンスです。

2写真1 たまたまアメ横を見に行った時に八重山でとれた大きなノコギリガザミが売られていました。昨年石垣島で何日もマングローブの中を探し回ったりカニ籠を仕掛けて小ぶりのものが二杯しか取れなかったものがお店で簡単に手に入るのは少し複雑な気分です。しかもそれほど高価でもないので漁師さんにとっては簡単に捕れるものなのかと思ってしまったりします。とにかく即決で購入し工房に持ち帰りました。やはり大きいカニは小さいカニと体の形が違っていました、微妙な違いなので説明が難しいのですが小さいカニを見ながら大きなカニを作ったりすると印象が違ってしまうように思いました。3いつもモチーフにするカニは一旦茹でてから冷凍で保管し制作するときに解凍していましたが、今回はカニが大きいので関節ごとに解体してヘラやコンプレッサーで中身を取り出しました。こうしておいて細部を見るときは今回の大きなカニを見て、全体のバランスを見るときは解体していない小さいほうのカニをみるようにしました。

4写真2 まず胴体を作ります。手びねりで形を作っているので中身は空洞です。細部を作るときに粘土を付けて分厚くなってしまったところは作品のどこかに穴をあけて内側から削りまた穴をふさぎます。

写真3 胴体ができたら爪や足を別で作ってプラモデルのようにつなぎ合わせていきます。細い脚は無垢ですが爪など厚みのある部分は半分に割って中身をくりぬきます。こうしないと乾燥でのひび割れや焼成時に爆発してしまうので大切な工程です。

写真4 形ができたらゆっくりと乾燥させて800度で素焼きをします。そして今回は下絵の具で彩色をして薄く透明の釉薬をかけました。このときの色がそのまま完成の色になるわけではないので焼成後に思った色になるように考えながら彩色するのでなかなか難しい作業です。

5写真5 次はシーラカンスの制作途中の写真です。こちらも手びねりで大まかな形を作り粘土を足したり削ったりしながら形をつくります。そして先ほどのノコギリガザミとおなじように何か所か穴をあけて分厚くなってしまったところを内側から削ります。また逆に薄すぎるところも内側から粘土を足して補強します。

写真6 内側の削りができたらまた穴をふさいで細かな作りこみをします。このときに少し粘土をたしても削ってもそれほど厚みは変わらないので厚みは気にせずつくりこんでいきます。

lastさあ、次回のブログの時にはどちらの作品も焼けていると思いますので楽しみにしていてください。

今井 完眞

*今井完眞の作品は http://www.mizenka.com/jp/artist/Sadamasa-Imai でご高覧いただけます。

*Sadamasa Imai’s artworks can be seen at http://www.mizenka.com/artist/Sadamasa-Imai

上記2番目〜4番目の画像:文中写真2〜4(今井完眞作 ノコギリガザミの制作途中)

上記5番目と6番目の画像:文中写真5と6(今井完眞作 シーラカンスの制作途中)

 

IMG_0477こんにちは、今井です。草や木の緑が濃くなってだんだん夏に近づいてきた気がします。最近雨が多くて作品が乾かず制作のスピードが遅くなっています。洗濯物を干すタイミングも難しいですね。今回は4月21日から26日まで穴窯を焚いていましたのでそのお話をさせていただきます。IMG_0856

私の家は父と祖父も陶芸家です。祖父は昔ながらの穴窯での作品焼成にこだわっていて30年以上前から春と秋の年二回家族で穴窯焚きをしています。私も小学生の時から薪割りなどの手伝いをしていて大学に入ってからは自分の作品も窯に入れて焼いています。

作品ができて施釉が終わったらまずは窯詰めです。穴窯は山の傾斜を利用して作られていて斜面の一番下の部分が焚き口になっています。窯の入り口はその焚き口のところになっていますので一番奥から作品を詰めていき最後に焚き口のところに作品を詰めます。焚き口に近いほど炎が近くて温度が高くなりますので窯の奥の部分には耐火度の低い作品から詰めて焚き口に近くなるにつれて高火度焼成の作品を詰めます。およそ4日間かけてこの作業を行い作品が詰め終わったら窯の入り口にレンガを積んで穴を小さくして焚き口部分だけ開けておきます。それから窯内の水分を減らすために1~2日間灯油のバーナーであぶります。IMG_0868

火入れの日は窯の前に鯛やお酒などお供え物をして窯焚きの安全と良い作品が焼けるようにお祈りします。ここから昼も夜も交代で窯の世話をして100時間かけてゆっくり900度まで温度を上げていきます。IMG_0947900度まで温度が上がったらくべる薪の量を増やしてここから還元をかけていきます。窯の中が酸化か還元かで作品の焼け方が大きく変わります。そして還元状態を保ちつつ温度を上げていき焚き口に近いところが1300度を超えて作品が十分焼けると今度は窯の側面からも細く割った薪をくべて窯の中央の温度を上げます。最後に奥の部分の温度を上げて窯変を出すために塩と炭を入れ約6時間薪をくべながら徐冷し完全に焼成が終わると焚き口もレンガで塞いで土をかけすべての穴を閉めます。2014-03-27 00.14.11

こうして2週間ゆっくりと温度を下げて人が窯の中に入っても大丈夫な40度以下になってから窯出しをします。13062389_876942232414330_9169952916440626258_n

今回は窯詰めの時に火の通り道を広くしたため温度の上りがよくしっかりと焼けていて良い作品が多かったです。志野もよく透光性のある信楽透土もきれいに光を通しています。

今回とれた作品は5月21日から開催した銀座黒田陶苑での二回目の個展にも出品しました。また秋の展覧会にも出品予定です。

2016-05-13 23.04.48今井 完眞

*今井完眞の作品は http://www.mizenka.com/jp/artist/Sadamasa-Imai でご高覧いただけます。

*Sadamasa Imai’s artworks can be seen at http://www.mizenka.com/artist/Sadamasa-Imai

一番下の2つの画像以外の画像:今井完眞撮影 穴窯を焚いている風景

一番下の2つの画像: 今井完眞作 穴窯で焚いた作品2016-05-12 11.23.10

椿と蛇

こんにちは今井です。工房の桜も散ってしまい葉が出てきて少し緑色になってきました。裏山を歩いてみるとところどころトカゲがカサカサ音を立てながら逃げていきます。もう旬が終わりかけの椿にヘビが巻き付いてきれいだったので思わず写真に撮ってしまいました。

No7 W9 D16 H9.5 (2)No21 W9 D9 H13.5 (2)そろそろ5月の個展に近づいてきて来ました。だんだんと作品が完成してきてできた作品を眺めながら出来栄えを確認します。基本的に窯出しのときは思い通りに焼けていなくて落ち込みますし、最初はよくできたと思っていても時間が経つとそれほどよく見えなくなったりするので窯で焼いて思っていたよりよい作品になる場合はほんの少ししかありません。私に限らず作品制作をする人は作品をつくる“テクニック”と作品を作るための“眼”(審美眼)は同時には成長することはなくてテクニックと眼が交互に成長していると思います。No10 W8.5 D8.5 H6.5 (2)そしてほとんどの場合、眼の方が先行しているので完成した作品に満足できることがとても少ないNo15 W12 D12 H10と思います。そんな中でよくできたと思うものをDM用作品としてギャラリーに届け、ギャラリーのオーナーさんが更にその中から数点に絞って写真を撮ってDMになります。すでに今回の個展の作品はギャラリーに届けているのでどんなDMになるかはとても楽しみにしています。No13 W8.5 D8.5  H13

さて、今月の21日から広島の工房にある穴窯を焚いています。最近植物ばかり制作していましたが、久しぶりにカニを作っています。カニ制作途中ディテールの細かい植物を作っていたせいかカニの制作が以前より手際が良くなっていて自分でも驚きました。少しでも制作中に時間や体力のゆとりを持つことは作品のクオリティーを上げるためにとても大切だと思うのでこれから少しずつそういったゆとりを持てるようにならなくてはいけないと思います。

今回の穴窯焚きはできるだけ写真を多く撮って次回のブログでご紹介させていただこうと思います。

今井 完眞

*今井完眞の作品は http://www.mizenka.com/jp/artist/Sadamasa-Imai でご高覧いただけます。

*Sadamasa Imai’s artworks can be seen at http://www.mizenka.com/artist/Sadamasa-Imai

一番上の画像: 今井完眞撮影 椿と蛇
上から2番目の左画像: 今井完眞作「蕪」
上から2番目の右画像: 今井完眞作「茄子」
下から2番目の左画像: 今井完眞作「椿(花のみ)」
下から2番目の右画像: 今井完眞作「柿」
一番下の左画像: 今井完眞作「パプリカ」
一番下の右画像: 今井完眞作 制作途中の蟹作品

青磁作品 花器こんにちは今井です。最近は前回のブログでもお話させていただいた陶と金属を組み合わせた花の作品を活けるための花器などを制作しています。花器には青磁釉を使っているので今回は青磁の作品についてお話いたします。

青磁作品 大香炉青磁は透明の釉薬の中に微量の鉄を加え還元焼成という焼成方法で焼く技法で青緑に発色します。この青磁は東洋陶磁独特のもので、もともとは窯の中で作品と薪の灰が化学反応しできる自然釉から始まったと言われています。中国の漢末三国時代には人為的に青磁の釉薬を作り焼かれていました。轆轤整形青磁は磁器の素地でできているものを“青磁”、陶土の素地でできているものを“青瓷”と区別します。私は陶土を使っているので厳密にいうと“青瓷”になります。私が陶芸に興味を持ったひとつの切掛けが青磁だったので造形の作品と並行して青磁も研究しています。轆轤整形 (2)

青磁作品の作り方

  • 轆轤や手びねりで形を作ります。
  • 乾燥させて一度800度で焼きます。これを素焼きと言います。
  • “ふのり”という海藻を鍋で1時間ほど煮てメッシュを通します。
  • 水で溶いておいた釉薬の水を捨て、代わりに“ふのり”を加えよくかき混ぜます。
  • 刷毛で作品に釉薬をかけて乾燥させ、また釉薬を塗り重ねます。これを何度も繰り返し釉薬の厚さを2~3ミリにします。
  • 約1250度で本焼きをします。このとき還元焼成といって、窯の中を酸素不足の状態にして焼きます。
  • 窯から出し完成です。貫入というヒビはこのあと徐々に増えていって美しい模様をつくりだします。

素焼きした後作り方を簡単にご紹介いたしました。このような工程で青磁は作りますが釉薬がはがれてしまうリスクがあり実際には殆ど失敗してしまいます。釉掛け釉薬の調合や陶土の吟味は専門に研究されている方でも思い通りにはいかないものだと思います。青瓷はそれだけ難しく完品はとても貴重です。私は青瓷の専門家ではありませんが少しずつでも良釉掛け 乾燥中い青瓷を作れるように研究をつづけていきます。

今井 完眞

*今井完眞の作品は http://www.mizenka.com/jp/artist/Sadamasa-Imai でご高覧いただけます。

*Sadamasa Imai’s artworks can be seen at http://www.mizenka.com/artist/Sadamasa-Imai

左上画像: 今井完眞作 花器作品

右上画像: 今井完眞作 大香炉作品

上から2番目の中央と右画像: 今井完眞による轆轤整形

下から2番目の左画像: 今井完眞作 素焼きした後の作品

下から2番目の右画像: 今井完眞作  作品への釉掛け

左下画像: 今井完眞作 作品の釉掛け乾燥中

Sadamasa Imai flower 1

上記画像:今井完眞作  透光性のある土で作った花の作品

こんにちは陶芸の今井です。今回は最近の制作についてお話しさせて頂きます。

前回のブログでもお話しさせていたとおり今は花をモチーフに制作をしています。これだけ続けて花などの植物を制作したことはいままでありません。

私が蟹などの生き物を制作するときは必ず誇張して作る部分と、逆に省略する部分があります。たとえば蟹の場合は蟹の口の内側は通常中の構造まで見えることはありません。蟹が食事中の時か死んでしまったときは一番外側の手のような部分が開いて中側が見えています。このときに見ることができる口の内側をあえて作品にするときは見えるように外側の手のようなところの形を変えます。逆に足先はいろいろな細部の表情がありますが作品では簡略化してシンプルな形にします。このように実物の蟹の要素を自分の解釈でコントロールして人が作品を見たときに着目する場所をコントロールして私が思う“蟹らしさ”を見る人に伝わりやすくしています。これはもちろん蟹に限ったことではなくすべてのもので共通していることだと思います。この誇張と簡略化は常にバランスを変えて制作していて同じモチーフを何度も作ることによって良いバランスがつかめてくるものなので、最近花のバランスの取り方が少しずつわかってきています。

Sadamasa Imai flower 2

上記画像:今井完眞作  透光性のある土で作った花の作品

今回の花の特徴的なところは透光性のある土を用いているところで最近になって信楽で開発された新しい土です。これまでも透光性のある磁器土はありましたがそれにくらべてもすばらしい透光性です。主原料に光ファイバーが使われているそうです。個人の作家が研究してもなかなか作り出すことが難しい土だと思います。3㎜ぐらいの厚みなら十分光が透けますし、蕪や大根といった白いけれど少し透明感のあるモチーフには最適であると思います。ただものすごく成形が難しくモチモチしていて手にべたつきます。花など薄く繊細なものを作る場合は少し乾かしてから彫刻刀で彫りながら成形します。扱いにくい土でも工夫しながらつきあっていけたらなと思っています。

今井 完眞

*今井完眞の作品は http://www.mizenka.com/jp/artist/Sadamasa-Imai でご高覧いただけます。

*Sadamasa Imai’s artworks can be seen at http://www.mizenka.com/artist/Sadamasa-Imai

 

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上記画像:今井完眞作 陶器の花制作途中

こんにちは、陶芸の今井です。今回は初めに藝大アーツイン丸の内での展覧会についてお話させていただき、後半は最近の制作についてお話させていただきます。

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左記画像:藝大アーツイン丸の内2015会場風景

2015年10月20日から25日まで開催されました藝大アーツイン丸の内に参加いたしました。この企画は東京藝術大学と三菱地所が共同主催して行うイベントで今回は第9回目です。東京藝術大学は「藝術による町づくり」をテーマにキャンバスを飛び出して町との接点を深めていき、一方三菱地所は日本の中心的なオフィス街である丸の内エリアを文化と芸術であふれる世界一の町にしていこうという趣旨の企画です。私は今年の東京藝術大学卒業・修了作品展に出品した作品で三菱地所賞をいただいていて、この賞を頂いた5人で受賞者展に出品していました。出品していた作品は修了制作の椰子蟹、甲蟹と高脚蟹。それから小さめの甲蟹と新作のノコギリガザミです。場所は東京駅前の丸ビル1階で吹き抜けになっている会場です。中央にはピアノが置かれ藝大のピアノ科の学生が代わる代わる演奏をしていました。とても多くの方々が行きかう場所で一日に何人のお客様の顔を見たか見当もつかないほどです。作品を観に人が集まる美術館と違い、ほとんどの方は別の目的で丸ビルに来ているのでしばしば作品の前を素通りされてしまいちょっと寂しい気持ちになることもありましたが、なかなかできない勉強をさせていただきました。やはり個展は自分の作品だけで会場をうめて空間を作ることが出来ますし、グループ展でも他の出展者と展示する位置や見せ方など話し合ってより良い空間にしていくことが出来ます。しかし今回の展示は会場構成を担当している方がおられたことと空間が巨大だったこと、それに加え音楽の企画も同時に行われたので作家側としては自分の作品の雰囲気を活かすのが大変難しかったです。今回改めて作品に応じて適した空間の広さが違うということを感じました。

Imai san kaki, etc.

上記画像:今井完眞作 柘榴と柿制作途中

最近の制作は来年春の個展に向けて植物をモチーフに制作しています。浪人中は石膏デッサンと静物着彩、それから塑造の練習を毎日毎日繰り返していました。塑造の課題もいろいろあって「手と任意の立体をつくりなさい」とか「煉瓦と布を作りなさい」とかあるのですが、私は工業製品や赤FullSizeRender貝が苦手でした。逆にパイナップルとかトウモロコシが出題されたときはそれなりに自信があって大体上位をとることができました。次回の個展のテーマが花にきまってから久々に植物の制作をはじめ少しずつ調子がでてきました。自分の摸刻力をあげるためにたくさん作品をつくって少しずつでもスキルアップできるように頑張っています。バラなど茎や葉が細いものは陶器で作ってしまうと大変にもろいので今回の展示では鍛金科の同級生にいくつかの作品で枝や葉を金属で作ってもらい、陶器の部分とつなげて作品にしようと考えています。

右記画像:今井完眞作 陶器の花と金属の茎を組み合わせた最初の作品。

今井 完眞

*今井完眞の作品は http://www.mizenka.com/jp/artist/Sadamasa-Imai でご高覧いただけます。

*Sadamasa Imai’s artworks can be seen at http://www.mizenka.com/artist/Sadamasa-Imai